鎌倉こどもミュージカルの「感情表現」あれこれ- 舞台で輝く子どもたちの表現力-

こんにちは、鎌倉こどもミュージカルです。

「まともな演技経験もないし…」「子どもに感情表現なんてできるのかな?」

新しく入団を考えてくださる保護者の方から、よくこのような心配の声をいただきます。

実は、子どもたちの表現力は私たち大人の想像をはるかに超えるもの。

毎年の公演で観客の皆様を感動の渦に巻き込むような素晴らしい演技を披露してくれています。

今日は「感情表現」という演技の重要な要素に焦点を当て、実際の舞台でどのような表現方法を実践しているのか、それを育むトレーニングについてお話ししたいと思います。

演技における「感情表現」の重要性

ミュージカルの舞台で最も大切なのは、お客様を物語の世界に引き込むこと。

英語では「イマージョン(没入)」という言葉を使いますが、まさに観客の皆様に「その世界に入り込んでもらう」ことが私たちの目標です。

例えば「悲しい」というセリフを言うだけでは、その感情は観客に十分には伝わりません。

表情や姿勢、手の動き、体の向き、歩き方…。これらすべてを使って「悲しみ」を表現することで、はじめて観客の皆様の心に響きます。

私たち鎌倉こどもミュージカルでは、このような「感情表現」を特に大切にしています。

プロの舞台でも使われる様々な表現技術を、専門講師が子どもたちの年齢や個性に合わせて丁寧に指導していきます。

時にはディズニー映画のキャラクターのように大きな表現で、時には宮崎駿作品のヒロインのように繊細な表情で…。

子どもたち一人一人が持つ表現力を最大限に引き出すことを心がけています。

【コラム:子どもならではの表現力】

実は子どもたちの方が、大人よりも豊かな表現力を持っているともいわれます。それは「こうでなければ」という固定観念が少なく、純粋に感情を表に出せるからに他なりません。この強みを活かしながら舞台表現として昇華させていくのが私たちの役目です。

舞台で見る様々な感情表現

それではどんな感情表現があるかを見ていきます。

喜びの表現

喜びは、最も表現しやすい感情の一つと思われがちですが、奥が深いものとされています。

全身で表す幸せな気持ち

  • 背筋を伸ばし少し上を向く
  • 手の動きを大きく軽やかに
  • つま先で弾むような歩き方
  • 肩を開き胸を張る

これらの要素を組み合わせることで、観客席の最後列まで「嬉しい気持ち」が伝わります。

笑顔の作り方

私たちが大切にしているのは「本物の笑顔」です。そのためにこのような練習も取り入れています。

  • 「ハミング」しながら表情筋をほぐす
  • 好きな食べ物を思い浮かべる
  • 楽しかった思い出を共有する
  • 仲間と一緒に声を出して笑う

悲しみの表現

心からの涙を引き出すには

舞台での悲しみは、誰もが一度は経験したことのある感情です。

しかし、それを自然な形で表現することは、子どもたちにとって大きなチャレンジとなります。

私たちは、次のような例で心からの感情表現を引き出していきます。

・ 大切な思い出を静かに思い浮かべる時間を作る

・ ゆっくりと深い呼吸を繰り返す

・ 悲しい場面をイメージしながら、少しずつ表情を変化させる

・ 肩を落とし、視線を下に向ける動作を意識する

体の使い方のポイント

悲しみを表現する際の体の使い方には、いくつかの重要なポイントがあります。

・ 背筋をやや丸める

・ 手の動きをゆっくりと、細やかに

・ 歩く速度を通常よりもやや遅めに

・ 首の角度を少し下に傾ける

怒りの表現

感情をコントロールする難しさ

怒りの表現は、エネルギーの放出と抑制のバランスが重要です。

特に子どもたちは感情が強くなりすぎる傾向があるため、以下のポイントを意識しています。

・ 表情は強く、でも動きは抑制的に

・ 怒りの種類(悲しい怒り、正義の怒りなど)による表現の違いを理解する

・ 眉間にしわを寄せる練習

・ 目線は相手より少し上に

驚きの表現

大きな反応と小さな反応

驚きの表現には様々な強さと種類があります。

・ うれしい驚き(誕生日サプライズなど)

・ 怖い驚き(突然の大きな音など)

・ 戸惑いの驚き(予想外の出来事など)

・ 感動の驚き(素晴らしい出来事など)

それぞれの場面に応じた適切な反応を、体全体を使って表現することを心がけています。

これらの感情表現は、決して一朝一夕に身につくものではありません。

子どもたちは週1回のレッスンで、少しずつ、でも着実にスキルを磨いていっています。

感情表現を育むレッスン

基礎トレーニング

表現力を育むための基礎トレーニングは、子どもたちの成長に合わせて段階的に行います。

表情筋を鍛える

滑舌の練習から始まり、表情の筋肉を意識的に動かす練習を行います。

「あいうえお」の発声練習も実は表情筋のトレーニングとして効果的です。

声と感情の関係

感情によって声の高さや大きさ、話すスピードが変わることを学びます。

例えば嬉しい時は自然と声が高くなり、悲しい時は低くなる…。このような感情と声の関係を体験的に理解していきます。

声と感情の関係

感情によって声の高さや大きさ、話すスピードが変わることを学びます。

例えば嬉しい時は自然と声が高くなり、悲しい時は低くなる…。このような感情と声の関係を体験的に理解していきます。

グループワークの効果

鎌倉こどもミュージカルの特徴の一つが、年齢の違う子どもたちが一緒にレッスンを行うこと。

このグループワークにはたくさんの利点があります。

学び合いの環境
  • 先輩の演技を間近で見られる
  • 後輩に教えることで自身の理解も深まる
  • 異なる表現方法に触れられる
  • お互いの成長を喜び合える

小学1年生から高校生まで、幅広い年齢層の子どもたちが一緒に活動することで、自然と思いやりの心も育まれています。

【コラム:子どもたちの変化】

入団当初は人前で話すことさえ緊張していた子が、半年後には堂々と演技できるようになる…。

このような変化は、グループでの活動があってこそ生まれるものだと考えています。

このように基礎トレーニングとグループワークを組み合わせることで、子どもたち一人一人の表現力を伸ばしていきます。

決して無理強いすることなく、それぞれのペースで成長を見守る…。それが私たちの指導方針です

プロの講師陣による指導

鎌倉こどもミュージカルの指導は、児童劇団「大きな夢」の専門講師陣が担当します。指導の特徴をご紹介します。

個性を活かす表現法
  • その子らしさを大切に
  • 長所を伸ばす指導
  • 苦手な部分は少しずつ克服
  • 無理のないペース配分
年齢に応じた指導方法

小学生には分かりやすい言葉で、中高生にはより専門的なアプローチで…。

年齢によって理解力や表現力が異なることを踏まえた指導を心がけています。

子どもたちの成長物語

実際の成長例をいくつかご紹介します。

最初は稽古場の入り口で泣いていた子が、お姉さんたちの優しい声かけで少しずつ慣れていき、今では堂々と演技ができるようになりました。

声が小さく、自信なさげだった子も、発声練習を重ねることで、今では客席の後ろまで届く声で歌えるようになっています。

また、人前で話すことが苦手だった子が、仲間と一緒に練習を重ねることで自信をつけ、学校の発表会でも活躍するようになったという嬉しい報告も届いています。

これらの変化は、決して急激なものではありません。

約8ヶ月の公演準備期間を通じて子どもたちは確実に成長を遂げていきます。

プロの指導者による丁寧な指導と仲間との切磋琢磨。

この二つの要素が、子どもたちの成長を支えているのです。

感動を生む舞台づくり

演技と音楽の調和
歌とセリフの違い

通常の演技では、セリフを通して感情を伝えます。

一方、ミュージカルならではの「歌」による表現は、より深い感情を観客に届けることができます。

歌唱シーンでは、声の使い方もセリフとは異なります。

セリフでは自然な話し方を基本としますが、歌では音程やリズムを意識しながら、なおかつ感情を込めて表現する必要があります。

感情をのせる技術

感情表現には「声の強弱」「表情の変化」「体の使い方」という3つの要素が重要です。

特に「表情の変化」は、舞台照明との関係も考慮しながら練習を重ねます。

照明が明るいシーンでは繊細な表情も観客に伝わりますが、暗いシーンでは大きめの表情づくりが必要になります。

おわりに

本日は鎌倉こどもミュージカルにおける「感情表現」についてお話ししました。

子どもたちの表現力は、私たち大人の想像をはるかに超えるものです。

時に力強く、時に繊細に、そして時に予想もしなかった表現で観客を魅了してくれます。

「演技なんて難しそう…」
「人前で話すのが苦手な子なんです…」

そんなご心配の声をよくいただきますが、どうぞご安心ください。鎌倉こどもミュージカルの団員たちも、みんな同じように不安を抱えて入団してきました。

でも、優しい先輩たちとの出会い、プロの講師陣による丁寧な指導、そして何より「舞台に立つ」という大きな目標に向かって頑張る仲間たちの存在。これらに支えられ、子どもたちは確実に成長を遂げていきます。

2025年夏、私たちは「ロビンソン*ロビンソン」という新しい挑戦を予定しています。

人間とロボットの心の触れ合いを描くこの作品で、子どもたちはどんな感情表現を見せてくれるのでしょうか。

もし「我が子もミュージカルをやってみたい」とお考えでしたら、ぜひ一度、見学や体験レッスンにいらしてください。心よりお待ちしております。

見学・体験レッスンのご案内

・日時:毎週金曜日 18:00~20:00
・場所:鎌倉市内および近隣の公共施設
・持ち物:上履き、動きやすい服装、飲み物、汗拭きタオル
・費用:無料

お問い合わせ・お申し込みは、お電話またはメールにて承っております。
ご連絡を心よりお待ちしております。

 
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また。

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