こんにちは、鎌倉こどもミュージカルです。
今回は「子どもたちのパフォーマンス」が持つ特別な魅力についてお話しさせていただきます。
プロの大人が演じる舞台とはまた違った感動があり、時にはそれ以上の衝撃を与えることさえある…
そんな子どもたちの表現力の秘密に迫ってみたいと思います。
- なぜ子どものパフォーマンスは大人以上の感動を呼ぶことがあるの?
- 舞台に立つ経験は子どもにどんな成長をもたらすの?
- ミュージカルはなぜ子どもの才能を引き出すのに適しているの?
- 未経験の子でも本格的な舞台に立てるようになるの?
- 子どものパフォーマンスにはどんな教育的価値があるの?
心揺さぶられた特別な瞬間
私たち大人は、ついつい「子どもだから」という先入観で物事を見てしまいがちです。
でも、時として子どもたちは、その固定観念を軽々と飛び越えて私たちの心を揺さぶることがあります。
思わず息を呑んだ出会い
昨年の冬、とある子ども歌舞伎の公演を観る機会がありました。
舞台に現れたのは小学5年生の少年。
「子役さんが出てくるのかな」くらいの軽い気持ちで見ていたその時予想もしない光景が広がりました。
堂々とした立ち振る舞い、丁寧な所作、情感たっぷりの台詞回し。
そこにいたのは、もはや「子ども」ではありませんでした。
何百年も受け継がれてきた歌舞伎の魂そのものが、少年の中に宿っているかのようでした。
計算を超えた純粋な表現力
舞台が進むにつれ不思議な感覚に包まれていきました。
プロの歌舞伎役者ならきっともっと技術的に完璧な演技をするでしょう。
でも、この少年の演技には、計算されていない「何か」があるように感じました。それは、
- 役になりきろうとする一途な思い
- 失敗を恐れない大胆さ
- 観客の反応を純粋に感じ取る繊細さ
心が震えた理由
なぜ、子どものパフォーマンスにこれほど心を揺さぶられるのでしょうか。
それは、きっと子どもたちが持つ「純粋な表現力」が、私たち大人の心の奥深くに眠る感性を呼び覚ますからなのかもしれません。
日頃よりこどもたちの「ミュージカルレッスンや舞台」を見ているにも関わらず、この日の体験は「子どものパフォーマンス」が持つ特別な力について深く考えるきっかけとなりました。
次の章では、子どものパフォーマンスが秘める5つの力について、具体的にご紹介していきたいと思います。
子どものパフォーマンスが秘める5つの力
芸術表現の世界で、子どもたちは時として大人以上の感動を生み出します。
鎌倉こどもミュージカルの子どもたちの姿を見て、その特別な力を5つの要素に分けて考えてみました。
1.計算されない「純粋な表現力」
舞台に立つ子どもたちには、プロのような計算された演技はありません。
むしろ、その正直な感情表現こそが観る人の心を打つのです。
役との一体化が生む説得力
子どもたちは「演技をする」のではなく、本気でその役に「なりきろう」とします。
悲しい場面では本当に涙を流し、嬉しい場面では心の底から笑顔があふれます。
この純粋な感情移入が、観客の心に深く響くのです。
2.失敗を恐れない「挑戦する勇気」
プロの演者は、完璧な演技を目指すあまり、時として冒険を避けがちです。しかし子どもたちは違います。
リスクを恐れない冒険者たち
失敗を恐れずに全力で表現しようとする姿は、観る人の心を掴んで離しません。
その瞬間、会場全体が温かな空気に包まれ、観客も一緒になって子どもたちの挑戦を見守ります。
3.限界に挑む「成長する姿」
子どもたちのパフォーマンスには、必ず「成長のドラマ」が隠されています。
努力が実を結ぶ瞬間
8ヶ月間の稽古を経て舞台に立つまでの間、次のような場面では特に強い感動が生まれます。
- 最初は震えていた声が堂々と響き渡るようになる瞬間
- バラバラだった動きが仲間と美しく調和する瞬間
- 難しい技術を諦めずに習得していく姿
4.予想を超える「技術の高み」
時として子どもたちは、自分の持つポテンシャルを遥かに超えたパフォーマンスを見せることがあります。
大人を驚かせる集中力
ある時は長い台詞を完璧に覚え、またある時は複雑な群舞を息の合った動きで披露する。
そんな予想を超えた姿に観客は衝撃を受けているのを感じます。
5.未来を映す「希望の光」
子どもたちの表現には未来への大きな希望が込められています。
文化を継承する表現者
伝統芸能からポップカルチャーまで、子どもたちは真摯な姿勢で芸術に向き合います。
その姿は、文化や芸術が確実に次世代へ継承されていくという希望を私たちに与えてくれます。
これら5つの力が重なり合うとき、子どもたちのパフォーマンスは比類ない感動を生み出すのだと思います。
数々の子どものパフォーマンスの魅力
子どもたちが見せる素晴らしいパフォーマンスは、日本中で脈々と受け継がれ、時には世界をも驚かせています。一例として、
- 児童合唱団
- 子ども歌舞伎
- ストリートダンスシーン
- ジュニアジャズオーケストラ
- 子ども能楽
- こどもミュージカル
などが挙げられます。
私どもの地元鎌倉市では、子どもたちが日本の伝統的な芸術文化である能に接して感動を味わい、本物の装束、舞台を使って能楽師の指導による稽古を受け、その成果を発表する「鎌倉こども能」が毎年行われています。
様々なパフォーマンスは「子どもだから」という限界を設けず、むしろ、その若さと柔軟性を活かして既存の枠にとらわれない表現に挑戦しています。
次の章では、その中でも特に総合芸術である「ミュージカル」という舞台が、なぜ子どもたちの可能性を大きく広げることができるのかお話ししていきたいと思います。
子どもミュージカルに込められた深い願い
単なる舞台芸術の上演だけではない、もっと深い教育的意味を持つ活動—それが子どもミュージカルです。
1993年に児童劇団「大きな夢」が設立されて以来、この理念は30年以上にわたって大切に受け継がれてきました。
「情操教育」という視点
ミュージカルは、子どもたちの心を豊かに育む最高の環境だと言えます。
歌って、踊って、演じることは、決して表面的な技術の習得だけを目指すものではありません。
感動が育む豊かな心
舞台に立つ経験を通じて、子どもたちの中に次のような変化が生まれていきます。
- 美しいものに感動する心
- 仲間の頑張りに心を震わせる感性
- 観客の反応を肌で感じ取る繊細さ
- 表現することの喜びを知る歓び
子どもたちの可能性を引き出す場所
子どもが好きで夢中になることの中にこそ真の才能があると私たちは見ています。
その才能を引き出し伸ばしてやるのが本当の教育である筈なのに、通り一遍の学力を身につけるだけで終わらせてしまう学生生活はとても勿体ない気がしてなりません。
これは児童劇団「大きな夢」の青砥代表の言葉です。
30年の実績が証明する子どもたちの力
児童劇団「大きな夢」の青砥洋代表は、自身も小学5年生でNHK児童劇団に入団し、その後数多くのラジオドラマやテレビ番組に出演してきました。
時にはNHKスタジオを掛け持ちで往復するほどの多忙な日々を送り、俳優としての充実した時期を過ごしました。
この経験から、子どもの時代が持つ無限の可能性、そして内に秘めた輝きを最大限に引き出したいという強い思いが児童劇団設立の原点となったのです。
決して平坦な道のりではありませんでしたが、その思いは実を結び、現在では全国26ヶ所に拠点を持ち、700名を超える団員が所属する日本最大の児童ミュージカル団体へと成長しました。
青砥氏は「児童劇団大きな夢」公式サイト内で子どもミュージカルの意義については以下のように述べています。
私たちの活動はプロの俳優を育てることが目的ではなくミュージカルを通して子どもたちに内在する無限の可能性を引き出すための舞台芸術活動です。一人ひとりの個性を見極めながら丁寧な指導法で各人の能力の開発に努めています。
この理念は、全国の子どもミュージカルで脈々と受け継がれ、数多くの子どもたちの成長を支えています。
公演を重ねるごとに子どもたちは自信を深め、それは単なる舞台での成功体験に留まらず、学校生活や日常生活での積極性にもつながっています。
一人ひとりの個性が輝く瞬間
私たちは決してプロの俳優を育てることを目的としていません。
むしろ、ミュージカルという総合芸術を通して、一人ひとりの中に眠る可能性を引き出すことを大切にしています。
時には声が小さな子が、大きな会場に響き渡る歌声を手に入れる。
人前で話すのが苦手だった子が堂々と演技をする。
そんな「できた!」という体験の積み重ねが、かけがえのない自信となっていきます。
学校教育では得られない特別な経験
教科書から学ぶ知識とはまた違った貴重な学びの場が子どもミュージカルにはあります。
プロから学ぶ人としての作法
舞台美術、照明、音響、衣装—プロフェッショナルなスタッフたちとの出会いは、子どもたちにとって大きな刺激となります。
- 挨拶や礼儀作法を自然と身につける
- 目上の人への接し方を学ぶ
- 仕事に対する真摯な姿勢に触れる
これらの経験は、将来社会に出た時の大きな財産となるはずです。
チームワークが育む思いやりの心
舞台は決して一人では創れません。
お互いの個性を認め合い、助け合いながら一つの作品を作り上げていく—そんな過程で、自然と他者を思いやる心が育まれていきます。
鎌倉こどもミュージカルは、このように芸術表現の場であると同時に、豊かな人間性を育む教育の場でもあります。
次の章では、なぜミュージカルという形態が、子どもたちの成長に特に適しているのかお話ししていきたいと思います。
ミュージカルという特別な舞台
芸術表現の形態は様々ありますが、その中でも「ミュージカル」は子どもたちの可能性を最大限に引き出せる特別な舞台です。
それは単に「歌って踊って演じる」という枠を超えた、もっと大きな意味を持っています。
なぜミュージカルが子どもに適しているのか
子どもたちは本来、表現することが大好きな存在です。
歌いたくなったら歌い、踊りたくなったら踊る。
そんな自然な表現欲求がミュージカルという形で花開きます。
様々な才能が輝く場所
ミュージカルには、実に多様な表現方法があります。
- セリフを通じて気持ちを伝える
- 歌で感情を表現する
- ダンスで心を解放する
- 表情やしぐさで場面を彩る
- 群舞で一体感を生み出す
このため、一人ひとりの得意分野を活かしながら新しい可能性にも挑戦できるのです。
子どもミュージカルが生み出すものとは
舞台に立つ子どもたちは、時として大人の想像をはるかに超える表現力を見せることがあります。
総合芸術だからこその成長
2時間弱の本格的な舞台で、子どもたちは驚くような集中力と表現力を発揮します。
それを可能にするのは以下のような要素と思われます。
- 物語に没入できる世界観
- 仲間と創り上げる一体感
- 音楽がもたらすリズムと躍動感
- 衣装や照明による非日常空間
ミュージカルは、このように子どもたちの様々な才能を引き出し育んでいく最高の環境と言えます。
おわりに
子どもたちのパフォーマンスが持つ特別な力について、様々な角度からお話しさせていただきました。
大人のように完璧ではなくても、いや、完璧ではないからこそ生まれる感動があることを、皆さまにお伝えできましたでしょうか。
もし、お子様が「歌が好き」「踊るのが楽しい」「お芝居に興味がある」という思いを持っているなら、ぜひミュージカルを体験してみてください。
私たち鎌倉こどもミュージカルでは、お子様の新しい一歩を応援させていただくため、見学や体験レッスンを随時受け付けています。
レッスンは毎週金曜日の18時から20時。気軽に見学だけでも構いません。
私たちの劇団に所属する全ての団員が、かつては「未経験」からスタートしています。
どうぞお気軽に足をお運びください。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また。
(文中の引用は「児童劇団大きな夢-公式サイト」からになります)
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