「かながわミュージカルアワード」で第2位の賞をもらったよ!

※この記事は小学校低学年が理解できる文章表現で構成されています。

歌ったり踊ったりお芝居したり、みんなで一つの物語を作り上げるとっても楽しい「ミュージカル」。

鎌倉に住む子どもたちが一生懸命練習して作り上げたミュージカル「ピエロ人形の詩」が、「かながわミュージカルアワード」というコンテストで第二位に選ばれたんだ。

「かながわミュージカルアワード」は、神奈川県で頑張っているミュージカルを応援するためのコンテストで、8つの劇団が参加したんだよ。

マグカルって知ってる?

みんなは、神奈川県が「マグカル」って不思議な言葉を使って、すごいことをしているのを知ってる?

マグカルとは「マグネット=引きよせる」「カルチャー=文化」を合わせた言葉の略で、音楽やダンス、絵画、演劇など、みんなが大好きな「文化芸術(ぶんかげいじゅつ)」という「たからもの」を、もっとたくさんの人に知ってもらうための取りくみなんだ。

神奈川県のたからもの

神奈川県には、たくさんの「たからもの」があるんだ。

たとえば…

  • 歌ったり踊ったりする「音楽」や「ダンス」
  • 絵を描いたり工作したりする「美術」
  • お芝居をする「演劇」

など、見ているだけでワクワクするようなものがいっぱい!

でも、せっかくの「たからもの」が、みんなに知られていないのはもったいないよね。

そこで、マグカルの言葉を使って、たくさんの人に「たからもの」を知ってもらうんだ。

マグカルの「ミュージカルアワード」

マグカルには、工作やお絵かきを一緒に楽しむワークショップや、演劇やダンス、音楽を発表する場を作ったり、神奈川県の伝統的な芸能をイベントで紹介したり、いろんなプログラムがあるんだよ。

その中の「令和5年度かながわミュージカルアワード」というコンテストで、鎌倉こどもミュージカルが「ピエロ人形の詩」という作品を演じて2位になったんだ。

これからもマグカルの言葉で、たくさんの「たからもの」がみんなに知られていくと思うよ。

賞をもらった「ピエロ人形の詩」

ここで賞をもらった「ピエロ人形の詩」をすこしだけしょうかいするね。

みんなに嫌われていたナナと、不思議なピエロ人形

ナナは貧しい少女で、いつもいじめられていました。友達もいなくて、ひとりぼっち。そんなナナのもとに、ある日ピエロ人形が現れます。ピエロ人形はナナに、「あなたは本当は優しい心を持っているんだよ」と語りかけます。

ナナの不思議な体験

ピエロ人形と出会ってから、ナナは不思議な体験をするようになります。白馬の王子様とダンスを踊ったり、猫やクモたちの世界をかいま見たり。まるで夢のような出来事がナナを包み込みます。

大変なことが起こってしまう!

ナナはピエロ人形との出会いによって、少しずつ心を開いていきます。しかし、そんなナナに大変なことが起こってしまいます。ナナはどうやって乗り越えるのでしょうか?

ダイジェスト動画やスライドショーで物語の世界を体験

みんな、ナナの不思議な体験をもっと知りたい?

下にあるリンクをタップすると、ナナがどんな冒険をしたのか、どんなふうに気持ちが変わっていったのか、動画写真でわかりやすく見られるよ。

さあ、ナナと一緒に不思議な世界へ出発しよう。

公演の内容をもっと見る

かながわミュージカルアワードってなあに?

かながわミュージカルアワードは、神奈川県でミュージカルをがんばっている人たちを応援するイベントなんだ。

今回は8つのミュージカルグループが、それぞれすごい作品を作って発表したんだ。

審査員(しんさいん)は、ミュージカルにくわしい先生たちで、それぞれの劇団の演技を真剣に見て、「ここはすごい!」ってところを見つけてほめてくれたんだよ。

ミュージカルアワードがあることで、ミュージカルに興味を持つ人が増えたり、もっと上手になりたいと思う人が増えたり、神奈川県全体がミュージカルで盛り上がっていくといいね。

審査員(しんさいん)の先生がた

ミュージカルの演技や歌、ダンスなどをチェックする先生がたを紹介するね。

先生がたは舞台のいろいろなところをチェックするんだよ。歌やダンス、演技が上手かどうか、ストーリーが面白いかどうか、舞台装置はきれいかな?衣装はかっこいいかな?など、たくさんのことを見て、順位をつけるんだ。

雲龍 大祐さん
  • 劇団四季という、とっても有名な劇団で、たくさんの演劇のお仕事をしてきた
  • 演劇の舞台を準備したり、チケットを売ったり、いろいろなことを担当したんだ
  • どんな演劇があるかというと「ユタと不思議な仲間たち」「エビータ」「キャッツ」「ライオンキング」「アラジン」など、たくさんの演劇のお手伝いをしたんだよ
  • それ以外にも劇団四季専用の劇場が新しくできる時には、その準備もしたんだ
楫屋 一之さん
  • 演劇の仕事が大好きで、ずっと前からいろいろな演劇のお手伝いをしてきた
  • 東京にある「世田谷パブリックシアター」という劇場で、たくさんの演劇やダンスのお手伝いをしたんだ
  • 2018年には、神奈川県で舞台芸術や青少年センターのお手伝いをするようになった
  • 日本のダンスの活動や、劇場や音楽堂の連絡協議会(きょうぎかい)の仕事もしているんだ

ミュージカルや舞台のプロ中のプロが、みんなの歌や演技を真剣に見て審査(しんさ)してくれたんだ。

おしくもグランプリは逃したけど、2位に選ばれたのはとってもうれしかった。

この賞は、これからもっともっと頑張っていくための、大きな力になると思うよ。

先生方の感想

プロの先生方は、どんな感想をもったかな?

みんなもミュージカルに挑戦したくなるような感想をもらったんでしょうかいするね。

あまり話したくない感想もかくさずに言うよ。

  • こどもたちとは思えないほど、えんぎと歌がとっても上手で、チームワークもばっちりだった
  • 照明で影絵を作って、上手に見せる演出(えんしゅつ)がすごかった
  • 地元のホールで、2回お芝居をやって1回目も2回目もほとんど席が埋まっていた。1回目の間に、2回目のチケットを案内していて、みんなにたくさん見てもらいたい気持ちが伝わってきた
  • 昔の言葉で書かれたお話だったから、今の時代には少し合わない言葉があった。子どもたちがかつやくする劇団だからもう少し気をつけてほしいな
  • 主人公はずっと出ているから、夏に子どもが主役の劇をするなら、きゅうけいする場面をもっと増やした方がいい
  • 地元の劇団だから、鎌倉ならではのお話もやってほしいな

劇団の目線で、いくつかピックアップして、詳しく見てみるね。

感想をピックアップしてくわしく

こどもたちとは思えないほど演技と歌が上手

じつは舞台に立つキャストのほとんどが「歌もダンスも演技(えんぎ)も初めて」で劇団に入ってくるんだ。

では、どんなふうにして賞をもらうまでのレベルになるのか?

それは「ゆっくり時間を掛けて表現するチカラをみがいていく」からなんだよ。

鎌倉こどもミュージカルのおけいこは、毎週金曜日の夜6時から8時がきほんの時間になっている。

この日程と時間内で演技、歌、ダンスの3つのジャンルを約8ヶ月かけてトレーニングしていくんだよ。

それぞれのジャンルの先生がたは、一人ひとりの成長を見ていきながらていねいに指導(しどう)を重ね、本番ではりっぱな姿になれるように計画されているんだ。

うさぎとカメが競争して、カメが勝ったように、決して先を急ぐことをせず、じっくりと基本を大切にけいこが積まれるので、本番を見に来てくださったお客様を感動させるえんぎができるようになるんだよ。

照明で影絵を作って

鎌倉こどもミュージカルの舞台を夢のような世界にするために「じどうげきだん大きなゆめ」という会社の専門の方々にいろいろな演出(えんしゅつ)をお願いしているんだ。

最大の特徴(とくちょう)は大人が作るミュージカルと同じように、すごい舞台美術照明音響で飾り付けられていることだよ。

衣装や小道具も、一つ一つ丁寧に作られていて、まるで本物の世界に入り込んだみたいなんだ。

子どもから大人まで、誰でも楽しめる、感動的な舞台を作り上げるのが、こどもミュージカルのすごいところなんだ。

みんなにたくさん見てもらいたい気持ちが伝わってきた

みんなに観劇してもらいたい!それを現実にすることは劇団員の大切な気持ちなんだ。

だって、一人でも多くの人に晴れ姿を見てもらいたいし、チケットの売り上げで、これからもずっと楽しいミュージカルを続けられるからだよ。

やる気は人いちばいでも、お金がなければミュージカルはできないのが現実だよね。

だから、みんなに観劇してもらうために、一生懸命宣伝(せんでん)するんだ。

例えば「大船祭り」では、夏に公演を行う「鎌倉芸術館(げいじゅつかん)」の前で、みんなに本番で歌う歌を披露したりチラシを配ったりするんだ。

大人だと「いらない」と言われることもあるけど、子どもが配ると「頑張ってね!」って応援してくれるから、すごく嬉しい気持ちになるんだ。

「鎌倉ビーチフェスティバル」では、劇団員全員でステージパフォーマンスをしたり、本番の前後で来場者にチラシを配ったりするんだ。

子どもたちが一生懸命に宣伝する姿を見て、たくさんの人が観劇に興味を持ってくれるんだよ。

今の時代には少し合わない言葉があった

あなたは「男らしさ」「女らしさ」って聞いたことある?

例えば、男の子はカッコよくて、女の子はかわいいってイメージがあるよね。

でも、本当は男の子だってかわいいし、女の子だってカッコよくてもいいんだよ。

これを「ジェンダー的配慮(はいりょ)」と言ったりするよ。

「男だから」「女だから」って決めつけてしまうことが今の時代には合ってないというのが先生の感想なんだね。

例えば賞をもらった「ピエロ人形の詩」の中にこんなセリフがあるよ。

  • かおる:あなた、あの子知ってる?
  • ゆかり:知るわけないでしょう、あんなへんな子
  • みさき:そうよ、確かにへんだわ。それになんかきたならしいし…

ここでは「きたならしい=へんな子」と決めつけられてるよね。

これが「今の時代には少し合わない言葉」となるんだ。

他には…

  • 青年(せいねん):そんなにふくれっ面(つら)してるとおよめさんになれないよ。

ここでは「女の子=いつかおよめさんになる」と決めつけてるよね。今はけっこんを望まない女性が多いなか、この決めつけはいけないよ…ということだね。

これ以外のセリフで「怪獣ブスゴザウルス」「みそっかす」「そんなこともわかんないの?」などがあって、これらは現代において「不適切(ふてきせつ)にもほどがある」ということになるんだ。

でもこれらの一言一言が、そのあとの舞台のストーリーやふんいきを変える大きな力を持っているから、全く使わないことは無理だし、そもそも物語がつまらなくなってしまう。

でも、これからもっと気をつけないといけない大きな課題であって、脚本(きゃくほん)をよく考えて作っていく必要があると感じているよ。

鎌倉ならではのお話もやってほしい

鎌倉こどもミュージカルは、いろんな演目(物語)を日本の26か所にある「こどもミュージカル」で持ち回りで公演しているんだ。

だから「鎌倉ならでは」の演目は難しいけど、あったらすごいよね。

実は、今年の「かながわミュージカルアワード」で一位になったのは、「横浜うらしま伝説(でんせつ) 2023」という、横浜のオリジナルのお話だったんだ。

鎌倉も、いつか神奈川ならではのオリジナルのお話で、みんなに楽しんでもらえるようになればいいなーと思ってるよ。

大きな舞台でなくても、宣伝のときに短いミュージカルを作っておひろめしてもいいかもね。

(最後に)神奈川県知事(かながわけんちじ)の夢

今の神奈川県知事の黒岩さんという方を知っている?

県知事とはみんなが住んでいる「県」をもっともっと素敵な場所にするお仕事のリーダーのこと。

言いかえれば、住んでいる県の「お父さんお母さん」のような存在だ。

みんなが安心して暮らせるように道路や橋を整備したり、子どもたちが元気いっぱいに遊べる公園や勉強できる学校を作ったり、困っている人がいたらすぐに助けてあげたり、海や山の環境を守ったりする仕事の一番えらい人だよ。

その県知事である黒岩さんが「マグカル」のことについて対談でこんなことを話していたよ。

「マグカルのイメージはブロードウェイですね。ブロードウェイに行くと必ず面白いものやっている、そういうところに神奈川もしたいなという思いがあって。ここに来なければ見られない、見たいときはまた神奈川に来てくださいねという場にしたい。」(マグカル公式サイトより引用)

すごく大きな夢でワクワクするね。

黒岩県知事は高校2年生の時に映画「ウエスト・サイド物語」を見て衝撃を受け、大学生の時はミュージカル研究会に入っていたほどのミュージカルファン。

県知事の前のお仕事ではニュースキャスターもしており、世の中のことをたくさん見てきたから、エンターテインメントにも詳しいんだね。

神奈川県のホームページやウイキペディアには「趣味と特技は歌とミュージカル」と書いてあり、公演のプロデュースをしたこともあるよ。

とても熱心なミュージカルファンであることがわかるね。

今回の「令和5年度かながわミュージカルアワード」も黒岩県知事の「ブロードウエイにしたい」という大きな夢の一歩だったのかもね。

鎌倉こどもミュージカルも、この大きな夢を実現するためのチカラとなるために、ますます頑張ろうと思います!

お知らせ:「ピエロ人形の詩」公演のごあんない

同じチームの「本八幡(もとやわた)こどもミュージカル」が、賞をとった「ピエロ人形の詩」のミュージカルを上演するよ!

ぜひはくりょくのある生のステージで物語を体験してね。

  • 上演(じょうえん):本八幡こどもミュージカル
  • 演目(えんもく):ピエロ人形の詩
  • 日時:2024年3月29日(金) 13:00/17:00の2回
  • 会場:市川市文化会館 小ホール(千葉県市川市)

くわしくは、下のリンクから見てね!

この情報をくわしく見る

おわりに

今回は昨年公演した「ピエロ人形の詩」が「かながわミュージカルアワード」で第2位の賞をもらったお話しをしたよ。

今や世界的にミュージカルブームであることは、誰もがみとめることだよね。

日本でも、ドラマのお芝居の途中で突然ミュージカルが始まったり、絶対に舞台にすることができないと言われた「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のような名作映画がミュージカルになったりと、話題がとぎれることがないよね。

もし、あなたがそんなミュージカルをやってみたい!と熱い思いがあるなら、ぜひ鎌倉こどもミュージカルに遊びにきてね。

前にも話したけど、はじめはみんな「ミュージカルをしたことのない」初心者(しょしんしゃ)だったから心配はいらないよ。

「必ず舞台に立てる…」それがこどもミュージカルのすごいところ。

いっしょに舞台に立ってミュージカルを演じて、そしていつか神奈川県がブロードウエイのようになった時、鎌倉こどもミュージカルが大人気になるよう手をとりあって頑張りたいな!

最後まで読んでくれてどうもありがとう。

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